かんがえごとの垂れ流し

主に諸々の感想

エンデと物理学「ものがたりの余白」

(はてしない物語より引用)
「造ったから、それははじめからそこにあった」

(シリルの物語より引用)
「探したから、それははじめからそこにあった」

エンデの物語は、「ものがたりの余白」にて、自身が説明する通り、子どもが好む遊びが尽くされた芸術であるが、その一方、その言葉は、まるで物理学を連想する示唆に富んでいる。

上記に引用した2つの記述を読んだときに思いついたことは、量子力学だ。
(量子力学に関することといえば、シュレディンガーの猫がよく知られているだろう)
観測したときに、すべてのビット上の数字が定まる量子コンビュータの考え方に似ていると思った。
エンデは、図らずとも、量子力学を語り、この世界の真実を物語っていたのだろうか?

もう一点。
エンデが書いた「はてしない物語」は、バスチアンとコレアンダー、そして、他の多くのファンタージエン国へ旅立った人たちにとって、別々の国、ちがう名を持つ幼ごころの君が存在する。
これもなんとなく重ね合わせを連想させる。
1つのビットに0と1が同じ確率で存在し、ふたつの結果が重ね合わせの状態にあるという量子コンビュータのようだ。

物理学に明るくないので、見当ちがいの事を書いている可能性があるが、しかし、エンデの凄さを感じる。